
プロセスガスクロマトグラフは大きいうえに、サイトにおいて専門家によるサービスが必要なので、一般的には分析室に置かれ、日々の目視検査も必要というのが一般的である。投資金額も大きく、投資金額の20−25%がハイテクである分析計で、残りがサンプリングや据付に関するローテクであると言われている。もちろん、サンプリングシステムに関するノウハウの蓄積は非常に重要であり、各ユーザのプロセス条件に適したサンプルコンディショニングシステムのエンジニアリング技術に関しては、SIEMENSの長年にわたるプロセスガスクロマトグラフの開発・製造技術を補完する重要な資産となっていることは疑いのないところである。
一方、MicroSAMTMシステムは、本稿で説明の通り、開発コンセプトが従来型のガスクロマトグラフとは全く異なり、採用いただくための目標は上で述べた比率を逆転するということである。
もし機器が完全にリモート制御されて最適化がなされ、その分析の品質にかかる充分な情報を提供し、頑丈、軽量、小型であるならば、分析室におく必要はなくなる。もし万が一故障が発生した場合も修理より取替えが適しており、標準化されそしてすべての品質テストを通った分析モジュールは短時間で取替えが可能である。
数箇所の測定ポイントに1台のガスクロマトグラフを利用することは、分析時間の長期化につながり、複雑なサンプルラインと回収ライン、及びサンプル切り替え設備が必要であり、もはや優位性がないと言える。各測定ポイントに分析計を設置することが新鮮なトレンドになったと言っても過言ではない。 重要な測定ポイントにおいては冗長分析が採用されており、機器の故障は2次的な問題となった。
その結果、旧来の技術と比較して、プロセスで必要とする成分分析の情報量が飛躍的に増加し、さらなる投資コストの低減を可能とした。現場でのメンテナンス回数が少なくなるため、運転経費も削減が可能である。
化学工業における調査では、旧来技術によるガスクロマトグラフの自動測定は1日に2回の要求となっており、予測では、MicroSAMTMのような小型のプロセスガスクロマトグラフという新しい時代を迎え、この値はさらに低下していくとされている。
ミニチュア化とは、機器を小さくすることを意味するだけでなく、従来型のガスクロマトグラフを使ってはこれまで達成できなかったレベルまで自動化をすすめ、新しい可能性が広げられることを意味している。さらに、―多数のインライン検出器(Micro TCD)を使うことで、分析結果の品質と信頼性を上げ、短時間分析を実現した。
―インジェクション、サンプルラインのバルブレス化ならびに完全なリモート監視の結果、高度な専門技術者の必要性がなくなった。
こうした斬新なアイデアならびにそれを実現できたのは、MEMS の適用であり、MicroSAMTMによって完成されたソリューションは、この技術に新しい意義を与えるとともに、プロセスガスクロマトグラフィの変化の象徴ということが出来る。
本文章はDipl.−Ing. Friedhelm Mueller、Siemens AG、Automation & Drives, Process Instrumentation & Analyticsがドイツの権威ある技術専門誌“Automatisierungs-technische Praxis”2004年 1月号に投稿したものを一部省略の上和訳。