
潟mーケン 倉本 拓司
ガスクロマトグラフは、プロセス制御における極めて重要なガス成分分析計であり、ユーザからの技術改良の要求は高く、Siemens社では、新型プロセスガスクロマトグラフの開発に際して、マイクロ・エレクトロメカニカルシステム(MEMS)を応用し、その製品を2004年初めに販売開始した。本稿は、その技術について詳述すると共に、今後の更なる可能性と応用性について解説し、その周辺技術や顧客の受ける利点や経済性に関しても言及した。
プロセスガスクロマトグラフィは、プロセス制御の最も重要な分析手法の一つであり、過去40年間の歴史の中で次第に完成化されてきた。複雑で高価な製品ではあるが、現在では石油精製、石油化学、化学、鉄鋼等のさまざまな工業プロセスにて、高機能なシステムとして利用されている。
しかし一方、設備の投資額や運転経費の増大によりプロセス制御の分析手法の見直しが始まっており、特に、物理学的な原理上の優位点であるセレクティビティ、センシティビティや精度など、高級なガスクロマトグラフのもつ能力のすべてをそれぞれの工業プロセスで必要とはされていないのが実情である。
複雑さすなわち製品コストを減じること、ミニチュア化と堅牢性により据付に係わる建設コストを押さえること、基本的優位性を失うことなく幅広く遠隔操作と調整ができることなどはほぼすべてのユーザが期待するところであり、これらが満足できれば、ガスクロマトグラフの新しい方向性への主なる障害はすでになくなったと考えて差し障りない。
これらを実現することを目的として、コスト低減や分析スピードの高速化と分析の信頼性向上を達成する、新しい形の新型ガスクロマトグラフをSiemens社では開発着手し、製品を完成した。以下に詳細について紹介する。