
ガスクロマトグラフの動作不良や機能不全の検出に関する問題は、これまで満足なレベルまでの解決には至っていない。特に、化学プラントにおけるプロセスの故障に対しては、早急なるリアクションが求められるわけであるが、測定物質の濃度が予想されるレンジの範囲外にあっても正しく測定されている限り、オペレータはその数値を信用しがちである。しかしながら、緊急なアクションが要求されるか否かの判断が付かず、測定結果の再チェックを怠っている場合がある。
このような場合に、正しい結果であるという蓋然性を示すために、インライン検出器の助けのもと、ベリフィケーション戦略を用いることができる。以下の情報が、この目的のために利用することができる。
・カラムシステムの最初の部分にインジェクトされた量
・カラムシステムから出てゆくすべての成分
・多くのガス成分ごとのデータ、もしくは測定対象ガスグループから得られる複数のデータ
測定値の異常あるいは欠陥について、その分析的な原因が比較という手法(技術的な原因は常にモニターされており、基準としてのステータス情報が信号として送られる)で見出せるとしたら、それらはインジェクション部、カラムシステムの部分もしくは検出部自体であり、MicroSAM TMで採用したコンセプトを図7と図8を用いて説明する
(1) インジェクションの異常あるいは欠陥
MicroSAM TMシステムは、インジェクションピークの高さ、面積と形状に関する情報を提供しており、高さと面積はインジェクション量に依存するが、測定される物質の混合物の熱伝導度の値にも依存する。しかし、これは極めて限られた範囲内での変動である。さらに、熱伝導度に大きな影響を及ぼす成分については、最新の分析によって決定することができる。インジェクションタイムエラーは幅の変化で認識され、結果を修正するのに直接用いられている。
幅の修正に引き続き、測定面積と、それまでに測定され操作時間中に決定そして記録されたインジェクションピークの平均面積との比率は、それぞれの分析において欠陥のないインジェクションであるか否かの判定を可能にしている。
(2)検出期間中の欠陥
図8はそれぞれの成分を異なる検出器で数回測定できることを示している。 それぞれの測定において、同じ対象ガスのピークであっても、検出器の感度が異なるので面積は異なる。しかしながら、それぞれの検出器の感度は一定なので面積比は一定となる。
測定中に決定された比率は、それぞれの分析において校正中に測定された比率と比較され、そして正しい結果を得るための尺度となる。
すべての検出器を使って同じガス成分のピークを互いに比較する必要は全くなく、また、検出器の異なる組み合わせを使うことで、ベリフィケーションとして別のピークの比較を行い、正常か異常かの判定を行うことが可能である。測定対象ガスのグループを使うことで同じ目的を達成することもできる。
(3)カラムシステムの欠陥
カラムシステム内のリークを検出したり、問題点を調整するために、次のような対処方法が講じられる。(図7参照)
“オールイン−オールアウト”コンセプトの結果として、検出器1でカラムシステムに入力されたインジェクションピークの面積と検出器5,6,7でシステムから出てゆくピークのトータル面積と比較することができ、もし面積比が一定であるなら、システムにリークがない確率は高くなる。
ライブスイッチの調整異常あるいは欠陥は、検出器3と4のシグナルを比較することで確認できる。
ストレートモードでは、同じグループのピークは輸送の前後で測定され、その面積比は記録されている校正データと比較される。ピークをカットしたときは、検出器3はシグナルを発生し、検出器4は発生しない。
これらの対処方法について正確なステートメントをここで披瀝することは行わないが、正しい測定結果を迅速に得るため、クリティカルな瞬間における測定の確かさをより高めるのに有効であることは疑う余地がない。
さらに、それらは定期的な保守・定期的な校正(事後保全)を行う形から、イベント−コントロールされたもの、つまり測定中に異常がないかどうかを常に監視することで、予防保全的な適切な情報を提供するという考え方に、取って代わるものとなっている。言い換えれば、それぞれの分析サイクル中に決定された蓋然値が異常でない場合は、対策を実行する必要がないと言うことができる。