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センサコラム「食品機械装置2006年7月号」Vol.01

超音波技術を応用した最新のレベル計測

潟mーケン 倉本 拓司

1.超音波によるレベル計測の原理

 超音波式レベル計測の原理は、一般的にある基準位置から音波あるいは超音波パルスを発信し、超音波パルスが測定対象面から反射して戻ってくるまでの時間を計り、音波の伝わる伝播速度からレベルを測定している。この原理が身近に体験できるものとして、「山びこ」がある。この原理を使用して目標に向かって音を発射し、戻ってくるまでの時間を自動的に計れば距離計測か可能であるが、実際の計測においては様々な問題が発生する。

 山びこは何処から声が帰ってきたのか、はっきりとは解らない。これは声が色々の方向へ広がり、何処へぶつかって帰ってきたのか解らないからである〔音の拡散〕。目的場所との距離を測定したいと思えば、一方向のみに集中する(絞り込み)ような声が必要とされる。一般的にこの絞り込みが良いほど、指向性が鋭いと言われている。絞り込みの度合い(鋭さ)をビーム角度で表している〔音波の収束〕。実際のレベル計測においては、原料タンクや穀物サイロの内部にハシゴや補強材などの突起した構造物が多いので、これらを避けて超音波を目的の測定面に正確に送ろうとすると、やはり指向性の鋭いものが有利となる。

 また、指向性が鋭いほど超音波ビーム中を通過する粉塵などの相対量が少なくなり、外乱に強くなる効果も生まれる。また、実際のレベル計測では、粉のように音波を吸収しやすいもののレベルを測定する場合が多くある〔音波の吸収と反射〕。この場合、音波の反射は少なくなる。安定した反射波を得るためには、より強力な音波を利用することが必要である〔音の強さ〕。空気中を音波が進むと次第に弱まってくることから、長い距離を計測する場合は強い音波を使用することが必要である。空気中に粉塵や水蒸気がある場合もまた音波は吸収され、弱められるため〔空中浮遊物による吸収〕、同様に強い音波が有利となる。この音の強さを「音圧」と呼ぶ。〔音の周波数〕実際の超音波式レベル計には、10kHzから50kHzの間の周波数が使用されている。なぜなら、この範囲の周波数は強力な超音波を発生しやすいと共に、比較的指向性を持たせやすい周波数であるためである。

粒子が詰まっている場合
粒子が詰まっている場合

粒子が詰まっている場合
粒子の間に空気層が多い場合

2.音の周波数による特性

2-1.周波数と波長

 超音波の音速・波長・周波数との間には、
 音速 = 波長 × 周波数
 の関係がある。
(音の種類には縦波と横波、その他に表面波、屈曲波があるが、ここでは空気中を伝わる波の種類として、縦波だけを取り扱うこことする)

 媒質中における超音波の音速はこの媒質により異なる。媒質による音速の一例を挙げると、空気の場合の音速は343 m/sec(20℃)、水の場合は1,483m/sec(20℃)、アルミの場合は6,260m/sec(20℃) となる。 また、空気中では温度によりこの音速は変化することから、音速と温度の関係は次式で表すことができる。 実際の音速 = 331 + 0.6 × 空気の温度℃ 計測に精度を必要とする場合は、温度補償の必要がある。タンクなどの内部温度が一様でない場合は、数点の温度計測が必要であるが、実用面から考えるとあまり有効な方法ではない。

2-2.波長と分解能

 周波数が高いほど波長は短くなり、波長が短いほど分解能は上がる。電子回路はこの波長(位相)を最小単位として検出できる。アナログ技術では、一般的に1/4波長の分解能まで可能と言われているが、デジタル処理により分解能を波長の1/10まで向上させることができる。

2-3.波長と測定物による反射・吸収

 音波の反射には、測定物の粒子の大きさは使用する波長の1/4以上の大きさ(粒子速度で表示される大きさ)以上が必要である。これ以下であると吸収される減衰が始まるので、測定対象物と要求される精度により周波数を決める必要がある。一般の場合、波長に比べ素粒子は小さくとも、密度は高いので殆どの場合は問題にならない。但し、粉体などの場合、見掛け比重の小さな物質や空気を多量に含んだ物質は、音波が粉面より内部に入り吸収され、良好な反射波を得られないことがあるため、周波数の低い音波は使用できない場合がある。

2-4.周波数と空気中水蒸気による吸収

 水蒸気の多く発生する場合は、20kHz 以下の周波数のセンサを使用すべきである。

2-5.周波数と空気中浮遊物による吸収

 周波数が低いほど、空中浮遊粒子の影響を受けにくくなる。 以上のように、環境条件・測定条件・測定対象物・要求測定精度などにより、最適の周波数を選ぶ必要がある。



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