
ごみ焼却施設にてごみや廃棄物を焼却した場合、ごみや廃棄物に含まれる塩化ビニルなどより塩酸ガスが発生する場合がある。塩酸ガスを含め硫黄酸化物などの酸性ガスは、環境基準によって排出濃度が規制されており、地球環境保護の観点から年々その規制が厳しくなっている。最近のごみ焼却施設では、これらの酸性ガス除去プロセスに消石灰を吸着剤として使用した乾式法が採用されている。この方式ではダイオキシンも有効に除去できることが明らかとなっている。酸性ガス除去のプロセスとしては、消石灰を排ガス中に均一に分散投入し、バグフィルタ表面に消石灰の均一な厚みのコーティング層を生成させる。その層を排ガスが緩やかな速度で透過する際、排ガス中の酸性ガスが消石灰表面と化学反応あるいは吸着されることによりバグフィルタコーティング層に残り、排ガス中から除去されることとなる。消石灰は酸性ガスとの接触時間の経過と共にその化学的、物理的活性が低下するため、適宜コーティング層の入れ替えが行われる。このコーティング層の入れ替えを行うタイミングを最適化することにより、バグフィルタのメンテナンスコストと消石灰消費量などのランニングコストを顕著に低減することが可能となる。この最適化のために、バグフィルタの前後において、LDS6による塩酸濃度の測定を行い、バグフィルタ前後の塩酸濃度差が小さくなる、あるいは塩酸濃度が排出規制値に近づいた時が、コーティング層入れ替えの適切なタイミングとして判断される。LDS6を用いた塩酸濃度測定によって適切なタイミングを知ることができ、交換に掛かる費用の低減と吸着効率の向上が可能となる。LDS6はダスト濃度変化によるレーザ光の透過量変化をバックグランドにて補正しているため、バグフィルタ上流側の消石灰濃度が変化する条件下において、安定した測定が可能である。
その他、詳細な紹介は省略するが、電気集塵機内のCO濃度測定による爆発限界モニタや、石炭サイロ内などにて発生するCO濃度測定などのアプリケーションにおいてもLDS6が使用されている。(写真1参照)

写真1 石炭サイロでのCO濃度測定
レーザ式ガス分析計LDS6は、サンプリングポイントにて直接測定を行うことにより、高速応答性を実現したユニークな分析計である。レーザ式分析計は動作原理上、レーザダイオードの特性の影響を大きく受けるが、近年のデバイス技術の発達によって従来からの課題であったレーザダイオードの寿命に関して長寿命化が進み、また、製作可能な波長などのバリエーションも充実してきている。
ダイオードレーザの発達に伴い、LDS6にて対応可能なアプリケーションが広がることが期待され、また、実際に今まで測定を諦めていたプロセスでの測定について問い合わせも多く寄せられている。今後、LDS6の特長を生かした新しいガス分析の可能性が期待される。