
今日、世界的にITが叫ばれていますがITを実現させるためには「デジタル化」、「分散化」、「ネットワーク化」そして「オープン化」がキーワードになります。
フィールドバスはプロセスコントロールシステムの世界でIT技術を反映し、プラント管理室からフィールド機器の隅々にわたる情報を監視し、コントロールすることが可能になり、従来の4-20mA信号に代表されるアーキテクチャーに取って代わる完全な分散制御のアーキテクチャーです。
2000年1月、フィールドバスの国際標準規格(IEC61158)制定に向けて、8規格のプロトコル(FoundationTM Fieldbus、FoundationTM Fieldbus HSE、Profibus、ControlNet、INTERBUS、P-NET、World FIP、SwiftNet)が採用されました。
日本国内においては1999年10月、(社)日本電気計測機器工業会がJEMIMAフィールドバスとしてFoundationTM Fieldbus仕様を採用したJEMIS038を制定し、日本工業規格(JIS)化に向けて動き出しました。
このホームページでご紹介するフィールドバスのシステム及び機器は、FoundationTM Fieldbus H1及びHSEの規格に準拠したものです。
この規格に準拠し製作されフィールドバス協会のテストに合格した対応機器は、認証マークを与えられ、異なるメーカの機器間でも特別なインターフェイスを必要とせず通信可能となる、インターオペラビリティ(相互運用性)を実現しています。
Smar社は1974年、蒸気タービンのサービス会社として設立され、その後、サービス活動から得たノウハウを生かし、1978年からプロセス制御機器の製造を開始しました。
1992年からはFoundationフィールドバス製品の開発に着手し、1994年11月、世界初のフィールドバスコマーシャルプラントを納入して以来、世界中で450以上のシステムを納入しています。
社員の約1/5が研究開発員という技術力重視の体制で、常に新しい技術と製品を提供しています。
ブラジル国内に8つの支店と、海外に9つの現地法人、世界中に70以上の販売代理店を持ち、ワールドワイドに展開し、フィールドバス通信チップから、デバイス機器、ホスト機器、システムにわたるまで、すべてを自社開発製品で、ユーザーに提供することができる唯一のメーカーとして、技術力・実績共にFoundationフィールドバスのトップメーカーとして活躍しています。(写真はブラジル工場です)。
株式会社ノーケンは、1995年にSmar社日本国内総販売代理店契約を締結しました。
1996年にはフィールドバス協会に入会し、1999年からフィールドバス協会日本協議会の幹事会社としてFoundationFieldbusの普及活動に積極的に参加しており、1999年、京都大学原子炉実験所様に国内初となるFoundationフィールドバスシステムを納入し、現在も積極的にフィールドバスビジネスを推進しております。
フィールドバスシステムと従来のシステムを比べて、まず外観的に現れる大きな違いはその配線形態にあります。
従来の4-20mAアナログ信号を中心とする制御システムでは、現場機器とDCS等のコントローラ間は1対1の配線であり、信号はアナログの単一方向でした。
フィールドバスシステムでは、現場機器も含めた全ての通信をデジタル信号で行うため、1本のツイストペアー線(バス)に対して、現場機器や監視のためのコンピュータを接続する、いわゆるマルチドロップ配線を実現し、機器間あるいは、機器とコンピュータ間のデジタル双方向通信を可能にしました。
フィールドバスのもう一つの大きな特徴は、バス上を流れる情報量の多さにあります。例えばフィールドバス対応の伝送器は計測値の他に、計測値のステータスやアラーム情報、あるいは機器の自己診断情報等を発信することができます。
また、オペレータからはプラント管理室内のモニターを通じて、機器の構成やチューニング、あるいは設定値変更等の操作を行うことができ、現場に出向かなくてもすみます。
フィールドバスシステムにて扱えるプロセス制御に関する情報量は、従来システムの比ではありません。
フィールドバスシステムにおける制御は完全なフィールド分散制御といえます。この分散制御を達成するため、アナログ入出力(AI、AO)やPID制御等、制御に必要な機能をファンクションブロックという機能単位に分けました。

ファンクションブロックはソフトウェアの一部で、フィールド機器に最低1個以上搭載されています。
実際の制御では、必要なファンクションブロックをソフト的に接続し、各ブロックの逐次処理にて制御を実行します。
例えば、従来システムではパイプ内に流れる液体の流量制御には、流量計・PID調節計、調節弁の3つの機器(ハード)が必要でした。
フィールドバスでは図のように、流量計と調節弁のみで行うことができます。制御ループは流量計に搭載されたAIファンクションブロックと調節弁に搭載されたPID及びAOファンクションブロックを接続させることにより形成します。図ではAIとPIDのファンクションブロック間が機器間の通信となり、バス上を制御用の信号が流れます。
| ファンクションブロック名称 | 略称 | ||
| アナログ入力 | Analog Input | AI | 変換器ブロックからのデータを取得し、他のファンクションブロックの入力用に変換 |
| アナログ出力 | Analog Output | AO | 他ブロックの出力を出力用トランスデューサ信号に変換する |
| バイアス/ゲイン設定器 | Bias/Gain Station | BG | 入力からバイアスを引きゲインを乗算。出力トラッキング付き |
| コントロールセレクタ | Control Selector | CS | 他ブロックの制御出力(最大3)の内1つを選択。出力トラッキング付き |
| ディスクリート入力 | Discrete Input | DI | 変換器ブロックからのデータを取得し、他のファンクションブロックの入力用に変換 |
| ディスクリート出力 | Discrete Output | DO | 他ブロックの出力を出力用トランスデューサ信号に変換する |
| マニュアルローダ | Manual Loader | ML | オペレータ設定またはリモート設定値を出力。PV表示、警報監視付き |
| PD制御 | P,PD Controller | PD | PIDブロックの積分値を外部からのバイアスで置換 |
| PID制御 | PID, PI, P Controller | PID | 標準的PIDコントローラ、フィードフォワード、バンプレス処理機能付き |
| 比率設定器 | Ratio Station | RA | 入力に比率を乗算。混合制御用の比率設定を用途として想定 |
| ファンクションブロック名称 | 略称 | ||
| デバイスコントローラ | Device Control | DC | 二または三位置の機器を制御 |
| 出力スプリッタ | Output Splitter | OS | 入力を二出力にスプリット。PIDの後で複数の弁を制御する用途で使用 |
| 設定値ランプ発生器 | Setpoint Ramp Generator | SPG | 熱処理炉制御用の折れ線設定値プロファイルを発信 |
| 関数変換器 | Signal Characterizer | SC | 二入力二出力。入力−出力関係表(20折れ点)に従い線形/非線形を行う |
| 進み遅れ | Lead Lag | LL | 入力にLead/Lag演算を施し出力する |
| むだ時間 | Deadtime | DT | 入力にDeadTime分の無駄時間を予め与えられた命令リストに従い実行する |
| 積算器 | Integrator or Totalizer | IT | 二入力のアナログまたはパルス入力を加算積算。 プリセット値比較付き |
| 入力選択器 | Input Selector | IS | 最大4コの入力中の一つを指定アルゴリズム(MAX、MIN等)に従い選択 |
| 演算 | Arithmetic | AR | 指定された演算式(9種類中の一つを選択)を実行。流量補正、BTUなど |
| タイマ | Timer | TMR | 四入力カウンター/タイマー, 各種モードあり |
| アナログ警報器 | Analog Alarm | AAL | 標準のアラームに加え、Hi_Hi、Hi、Lo、Lo_Lo等のアラームを出力 |
smarのフィールドバス機器は下図のように多くのファンクションブロックをサポートしています。
また、syscon302を用いて、Instantiation機能により同一機器内に同じものを含め、最大15以上のファンクションブロックを動作可能にすることができます。
smar社のコンフィギュレータSyscon302を使用して、必要なファンクションブロックを機器の中に割り当てる機能。smar社の各機器の中には、予め表に示すファンクションブロックが搭載されており、Instantiontion機能により必要な機能を必要な数だけ動作させることができる。Smar社だけの特徴です。
| LD | TT | IF | FY | FP | FI | FB700 | DFI302 | ||
| 1 | RS | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes |
| 2 | AO | Yes | Yes | Yes | Yes | ||||
| 3 | AI | Yes | Yes | Yes | Yes | ||||
| 4 | PID | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes |
| 5 | ARTH | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes |
| 6 | SPLT | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | |
| 7 | CHAR | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes |
| 8 | INTG | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes |
| 9 | AALM | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes |
| 10 | ISEL | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes |
| 11 | SPG | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | |
| 12 | TIME | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes |
| 13 | LLAG | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes |
| 14 | MDI | Yes | Yes | ||||||
| 15 | MDO | Yes | Yes | ||||||
| 16 | MAI | Yes | Yes | ||||||
| 17 | MAO | Yes | Yes | ||||||
| 18 | OSDL | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes |
| 19 | DENS | Yes | Yes | ||||||
| 20 | APID | Yes | Yes | ||||||
| 21 | DIAG | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes |
| 22 | EPID | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | |
| 23 | CT | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes | Yes |
フィールドバスの特徴である「デジタル双方向通信」、「マルチドロップ配線」、「フィールド分散制御」、「インターオペラビリティ」により、以下に示すメリットが期待できます。